
子どもにタイピングスキルは必要?講師2人が話した「必要な理由」と練習のコツ
小学生の子どもにタイピングスキルは必要?プログラミング教室の講師が語る「必要な理由」と練習のコツとは?


ポッドキャスト番組「アンズテックFM」で、講師の後藤と播磨がこのテーマを話しました。
2人の答えは「子どもにタイピング絶対に必要」。
ただし理由は、速く打てるようになるからではありませんでした。
・タイピングが子どもの「自信」につながる仕組み
・どこまで打てるようになればいいかの目安
・ホームポジションは守らなくていい
・楽しく続けるための練習アイデア
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「タイピングできないですけど大丈夫ですか?」への答え

保護者様から多くいただくご質問のひとつがこれです。
意外に思われるかもしれませんが、これはテキストでコードを書くプログラミングに限った話ではありません。ブロックを組み合わせるスクラッチのような教材でも、タイピングは必要になります。
理由は大きく2つありました。
【理由1】タイピングは、子どもが自信を持つための成功体験になる
後藤が挙げた一番の理由は、スキルそのものではなく「自信」でした。
やればやるほど、確実にスコアが上がる
タイピングは、練習した分だけ結果が数字ではっきり出る、めずらしいスキルです。1分間に打てる文字数が増える、ミスの回数が減る。しかも、才能や年齢にほとんど左右されません。
後藤先生によれば、これまで指導してきたなかで、続けているのにスコアが下がった子はひとりもいなかったそうです。
全員が右肩上がりになります。
「僕はやればできるんだ」に変わっていく
そして、その積み重ねが子どもの考え方を変えていきます。
勉強でもスポーツでも、努力と結果が結びつくまでには時間がかかります。その点タイピングは、数週間で「先週の自分より速くなった」を体感できます。
大事なのは速さそのものではなく、頑張って練習したら能力が伸びた、という過程を自分で確かめられること。この成功体験のためだけでも、タイピングはやっておく価値があるというのが後藤の考えです。
【理由2】パソコンを使うこと自体に、文字入力がついてくる
もうひとつは、もっと現実的な理由です。
ブロックプログラミングなら、たしかに文字を打つ場面はほとんどありません。でも子どもが「こんな作品を作ってみたい」「これってどうやって作るんだろう」と思ったとき、次にやることは検索です。
インターネットやYouTubeで作り方を調べようとしても、検索窓に文字を入力できなければ、その一歩目でつまずいてしまいます。
つまり「プログラミングのために必要」というより、パソコンで何かを作るならキーボードとは切り離せない、というイメージに近いのです。
どこまで打てるようになればいい?
では、どのレベルを目指せばいいのでしょうか。保護者の方からは「ローマ字がまだ怪しい」「人差し指だけで打っている」というご相談をよくいただきます。
これに対する後藤の基準は、意外なほどゆるいものでした。
人差し指だけでも、入力できているなら問題なし。
目安は「自分でやっていてイライラしないこと」だけです。
仕事で使うようになればある程度の速さは必要になりますが、子どものうちはやればやるほど伸びるものなので、ここまでできないといけない、という線引きは設けなくていい、という考え方です。
ホームポジションは「近道」であって「ルール」ではない

FとJのキーに左右の人差し指を置き、そこを基準に指の定位置を決める打ち方のことです。FとJのキーには小さな突起があり、手元を見なくても指を戻せるようになっています。
効率よく打つための基本形とされています。
2人とも「ホームポジションはあった方がいい」という立場です。
一番効率のいい入力方法であり、上達の近道であることは間違いありません。
ただし、それはあくまで理想論。
ホームポジションを使わないとタイピングじゃない、というわけではありません。
播磨によると、日本トップクラスの入力スピードを持つプロ(テレビの生放送で字幕を出す仕事をしている人など)の運指表は、実はひとりひとり全然違うそうです。小指をほとんど使わない人もいれば、左右どちらの指で打ってもいいゾーンが極端に広い人もいます。
指の長さも手の大きさも人それぞれなので、まずはホームポジションを一通り試してみて、合わないと感じたら自分に合う形に変えてしまってかまいません。
速く打てる子は、作品づくりも速い

もうひとつ、レッスンの現場で2人が実感していることがあります。タイピングが速い子は、作品づくりの進み方も明らかに速いのです。
後藤先生は、その理由をこう説明しています。
タイピングは、頭の中で考えていることを外に出すための手段です。
打つのが遅いと、考えのスピードに出力が追いつかず、「紙に書いた方が早い」という状態になってしまいます。
逆に速く打てれば、試す回数も調べる回数も増えます。
アウトプットの量が増えた結果として、作品が完成するまでのスピードも変わってくる、というわけです。
いちばんの上達法は「楽しく続けること」
練習方法について、2人が口をそろえたのがこれでした。
フォームは後からいくらでも直せますが、「つまらない」と感じてしまうと練習そのものが続きません。
播磨がパソコンを好きになったきっかけも、タイピングゲームでした。
文字が打てるようになるのが気持ちよくて、そこから「パソコンでこんなこともしてみたい」と興味が広がっていったといいます。
タイピングは、パソコンを楽しむための入口としても役に立つのです。
・好きな歌を歌いながら、その速さに合わせて歌詞を打ってみる(播磨が小学生のころにやっていた練習法)
・好きな本やマンガのセリフを、そのまま写して打つ
・「今日は何秒だった」と記録をつけて、先週の自分と比べる
後藤先生によると、最初はいやいや取り組んでいた小学生も、空き時間があればすぐタイピングをやりたがるように変わっていく子がほとんどだそうです。
やらせようとするより、打つと楽しいと感じてもらうこと。
遠回りに見えて、これが一番の近道になります。
まとめ
音声入力もフリック入力もAIもある時代ですが、パソコンを使ううえでタイピングができて損をすることはありません。
そして子どもにとっての価値は、速く打てることそのものより、「続ければできるようになる」を自分の手で確かめられることにあります。
目指すレベルは、イライラせずに入力できる程度で十分。
ホームポジションは近道ですが、絶対のルールではありません。
まずはタイピングゲームでも、好きな歌詞の書き写しでもかまいません。
楽しく続けられる形を、お子さんと一緒に見つけてみてくださいね。
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