子どもに知ってもらいたいネットリテラシー
インターネットは正しく使えば便利で楽しいツールですが、使い方を少し間違えると犯罪に巻き込まれたり、加害者になってしまうこともあります。 特に、SNSをはじめとした自由に書き込めるサービスが多く、違法なデータをアップロードしたり誹謗中傷をしたりされたりすることでトラブルが続出しています。 インターネットがいつでも使える環境が当たり前になった今こそ、正しい使い方を知り、危険から身を守る方法を子どもたちに身につけましょう。
目次
ネットリテラシーとは?
最近よく耳にする「ネットリテラシー」という言葉をご存知でしょうか。 リテラシーとは「物事を正確に理解し、活用できること」という意味があり、ネットリテラシーはインターネットを正しく使いこなせる能力のことを指しています。
インターネットでやってはいけないことをすれば炎上したり罪に問われたりする可能性もありますし、嘘の情報や詐欺サイトで騙されて被害者や加害者になる危険性もあります。
ネットリテラシーとは「ルールを知り、トラブルが起きないようにすること。そしてトラブルが起きたときに正しく対処できるチカラ」なのです。
似顔絵をアップロードするだけでも違法!?
実は、似顔絵をアップロードするだけでも罪に問われることがあります。 人気タレントや人気のキャラクターは経済的価値があるとみなされ、パブリシティ権の侵害にあたることもあります。
犯罪になるケースは少ないですが、違法になる可能性があるということは覚えておきましょう!
イラストだけでなく、もちろん文章や写真、動画にも注意しましょう。 他人に関することを投稿すると、犯罪にはならなくても相手との関係が崩れたりする可能性もありますので、自分以外の人について言及するのは避けましょう。
自分の写真を投稿するのは大丈夫?
SNSで気軽に発信できるようになり、写真を投稿する人も急増しています。
ここでは写真投稿のリスクについて見ていきましょう。
写真データには様々な情報が含まれている
写真には画像情報だけでなく、撮影者や位置情報などのexif(イグジフ)データが含まれています。 つまり、あなたが投稿した写真を解析すると、いつどこで誰が撮影したデータなのかを知ることができる可能性があります。
現在はLINEやtwitter、Instagram、Facebookなど大手のSNSではexif情報が自動で削除されるようになっていますが、そのようなリスクがあるということは覚えておきましょう。
1枚の写真で住所が特定できる
自宅で撮影した写真から住んでいるマンションが特定されるケースは数多くあります。
窓の外の景色や部屋の間取り、壁の色や材質、光の差し込む角度など写真から様々な情報が入手できます。 写真以外にも普段の投稿内容からある程度の生活圏は特定されますので、これらの情報を組み合わせれば特定するのはさほど難しいことではありません。
最近では写真が高画質になっており、瞳に写った情報から特定された例もあります。 もちろん住所がわかる郵便物などが写らないようにすることも心がけましょう。
知らないうちにやってしまう著作権や規約違反
Scratchという子ども向けのプログラミング言語をご存知でしょうか。 世界中の子どもたちが利用しており、日本でも多くの小学校で利用されています。
ここで作られたプログラミング作品は誰もが使えるように「共有」できる機能があります。 共有された作品は、他の子どもたちがアイディアの参考にしたりできるよう、誰でも共有や再配布ができるカタチになります。
もし、ここに有名キャラクターや人気の音楽を利用していると「他人の著作物を無断で再配布している」とみなされ、知らない間に罪を犯してしまう可能性もあります。
実際に私たちのプログラミング教室でも、ゲームキャラクターの画像をネットで探してきて、Scratchで利用した!という子どもを何度も目にしてきました。 そういうときは「他人の画像や音楽を勝手に使うのはルール違反」であるとしっかりと伝えるように心がけています。
信頼できる情報かどうか見分けるチカラ
インターネットで調べ物をしていると、さまざまな情報が飛び込んできます。
しっかりと調べたうえで掲載しているサイトも多くありますが、それとは逆に嘘の情報を掲載してアクセスを稼ごうと企んでいるサイトもたくさんあります。
さらに、その嘘の情報を信じてしまい、別の人に伝えてしまうと、結果的に自分が加害者になってしまう可能性もあります。
嘘の情報にだまされないために
釣り記事と呼ばれるような「人気タレントの〇〇は実は××だ」 「〇〇会社の商品は詐欺だ」といった過激なタイトルの記事が数多くあります。このような情報を目にしたときは、鵜呑みにするのではなく一呼吸置いて、書かれている情報が本当かどうかをしっかりと考えましょう。
その記事はどこに書かれているのか、誰が書いたのかを見てみるのも重要です。 情報は信頼できるところから入手するよう心がけましょう。
これからインターネットをつかう子どもたちへ
インターネットを利用するうえでのリスクについてご説明してきましたが、怖がらせることが目的ではなく、インターネットの仕組みを知って正しく使ってもらうことが目的です。
過度な心配をしすぎるのではなく「何に気をつければいいか」を、ご家庭で話し合って、正しく楽しいインターネットの使い方を身につけていきましょう。